がんのピアサポート

がんのピアサポートとは

「がんのピアサポーター」は、がんの治療体験者が体験からの学びを活かし、がんにかかった方々の悩みや不安を傾聴し、ともに考える役割です。身近な相談役として当事者および医療機関からもニーズは高く、「名古屋市がん相談情報サロン ピアネット」を運営するNPO法人ミーネットでは、ピアネットの他、愛知県内16の「がん診療連携拠点病院」でピアサポートによる相談支援活動を実施しています。

がん領域のピアサポートは、これまで患者団体などによる自主的な取り組みとして行われてきましたが、2011年度には、厚生労働省のピアサポーター育成事業として予算化され、「がん総合相談に携わる者に対する研修プログラム」が策定されました。以降、全国でがんのピアサポーターの養成が進んでいますが、医療関係者の中にも、まだピアサポートの具体的なイメージがわかないという声もあります。
NPO法人ミーネットは、2007年からピアサポーター養成に着手しました。2016年3月現在201名のピアサポーターが講座を修了し、行政や医療機関と連携協力を図りながら相談支援活動を進めています。
この実績と経験をもとに、今後、がん医療のなかでどのような役割を果たし得るのかを考えながら、がんのピアサポート活動を紹介します。

がんの「ピアサポーター」が誕生するまで

ピアサポートは、がん患者の不安や悩みを軽減するための有効な方法として、2012年6月に施行された「第二次がん対策推進基本計画」※にも、その必要性が明記されています。現在、全国の地方公共団体等で、 ピアサポーター養成研修が実施されていますが、養成期間は2日程度から1年間まで、かなりのバラつきがあるといわれています。
がんの悩みは多層的であり、時間の経過とともに変化します。また、同じがん種であってもがんの状態や患者自身の価値観などによって、がんの悩みは異なるもの。「がんの個別性」に配慮しつつ、相談者をミスリードすることなく共に問題解決の方法を探るために、学ぶべきことは実にたくさんあります。

※第二次がん対策推進基本計画

がん患者の不安や悩みを軽減するためには、がんを経験したものもがん患者に対する相談支援に参加することが必要であることから、国と地方公共団体等は、ピア・サポートを推進するための研修を実施するなど、がん患者・経験者との協働を進め、ピア・サポートをさらに充実するよう努める。

様々なサポートを受けながら局面を乗り越えてきたがんの当事者が「サポートする」立場のピアサポーターとしてデビューするまでをご紹介します。

ピアサポーター養成講座の流れ(NPO法人ミーネットの例)

 

ピアサポーター養成講座の意義

  • 正しいがんの知識や相談対応の基本を学ぶことが自分自身にも役立つ
  • 専門家からの学び、実習、客観的評価などが求められる
  • 同じ立場の人たちが同じ目標に向かって努力することの相乗効果が得られる

ピアサポート相談対応の基本

  • 「ピアサポーターの心得」にのっとって対応する
  • 傾聴を基本とし、相談者と「ともに考える」
  • 医療的な判断はけっして行わない

がんの正しい知識を学ぶ意味は

  • 相談者の悩みを「理解して聞く」ためには基本的な知識が必要
  • 自分自身のがんを正しく知ることの大切さを伝えられる
ピアサポート活動でもたらされる変化

ピアサポーターを志したのは「自分が抱えているがんの不安が、同じ立場の人と学ぶことで解消されるのではないか」という思いからです。
ところが、仲間と学ぶうちに「他人のために力になることで自分が支えられている」という喜びを得るようになりました。ピアサポート活動に取り組むことで、それまではつらいだけの経験であった「がん体験」も、自分にとって無意味ではなかったと思えるようになりました。
これは、がんになってからの私の人生において最大の収穫です。

名古屋市がん相談情報サロン ピアネット
ピアサポーター 伊藤和直さん

ピアサポーターの心得15カ条と対応基準