がんになったら


あなたや、あなたの大切な人が がんになったら

知っておきたい 自分のがんのこと

資料提供・監修 名古屋市立大学病院 化学療法部 部長 小松弘和

がんはとても個性的です。がんは発生した場所(胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、肝臓がん・・・)、組織型、進行度、発症年齢で治療法は全く異なってきます。
手術、放射線、抗がん剤(化学療法)、緩和療法とその最良の治療法の選択(の組み合わせ)は多種多様で、患者さん個人個人において治療法は異なります。ですから、「お隣の人のがんは・・・」といった話はあまり意味がありません。
では、最良の治療を受けるためには?

  1. かかった「がん」について知る
  2. かかったご自身のがんの状況(個性)を知る
  3. 主治医からの説明を十分に理解できる
  4. 受けられる(医療)支援を知っておく

この4点が特に重要です。

1.ご自身のかかった「がん」について知りましょう。

がんは発生した場所(臓器)毎に強い個性を示します。その場所によって出現する症状も異なり、診断に至る検査方法も異なります。そして、治療法は発症臓器だけでなく、顕微鏡病理組織のタイプ、病変の拡がり(ステージ)、年齢、全身状態で大きく変わってきます。がんの情報収集は、本やインターネット、病院の情報ライブラリー等を活用するようにして不確かな情報に振り回されないようにしましょう。主治医からの詳しい説明がある前に是非予習しましょう。

主治医から説明を受ける前に情報収集を!
  • インターネットで探すがん情報
  • お気軽にピアネットにご相談ください

    ピアネットは、あなたが医師と協働してよりよい治療を進め、がんになっても自分らしい生活ができるよう、同じ立場でお手伝いをします。お一人で情報を収集することに困難が状況にあるとき、また知識を持った人に相談して自分の考えを整理したいときなど、いつでもピアネットにご相談ください。

2.ご自身のがんがどのような状況かを知りましょう

ご自身のがんの状況は、主治医から説明がされます。1で予習した知識がこのときに大きな力を発揮します。今後の治療法を左右する重要な情報が説明されますが、最低限、理解しておきたいポイントがあります。その点を理解することでご自身の置かれている状況が理解できるようになります。

最低限、理解したいポイント
  • 病名:(例)乳がん
  • 病理組織型(生検結果):浸潤性乳管がん等、特殊染色(HER2、エストロゲン受容体等)
  • 病変部位、臨床病期(転移の有無):TNM分類、I、II、III、IV期
  • 予定される治療名と主な副作用:手術、化学療法、放射線療法(の組み合わせ)それぞれの副作用の発現時期、程度、危険な合併症、頻度を理解する
  • 治療の目的:治癒、生存期間改善(がんとの共存)、症状緩和 のいずれか
  • 標準的療法であるか否か:標準的療法は治療選択の余地は少ない。
    臨床試験の場合は予測される効果、副作用についてより詳しい説明と理解が必要
  • 予後因子:大きさ、年齢、リンパ節転移(脇)、等
  • いつ、どうやって治療効果を評価するか
  • その他の治療法の選択肢と長所・短所
  • 治療経過の次の節目(説明の時期)はいつごろなのか
3.主治医からの説明「ファーストオピニオン」の上手な聞き方

セカンドオピニオンよりもまずは主治医の意見が大切。上述した1、2をおさえて聞けば、質問もおのずと出てきますし、不必要な警戒心も軽減します。
主治医を信頼する気持ちを持って、落ち着いた環境の中でまとまった時間をとり、信頼する方と一緒に聞き、医師と相談しながら治療法を決定していくことが大切です。

  • 節目の時には、外来診察とは別に説明の時間をとってもらう(30分はかかる)
  • 一人ではなく、常に信頼するキーパーソンと聞く
  • 医療者を信頼する関係を築き、相談して最良の治療を決めていく
  • 医師は基本的に標準的治療を推奨しますが、標準的治療が確立していない場合があり、その場合は特にそれがご本人にとっても最良であるかを検討することが大切
  • データのコピーをもらい、メモを用意(準備のときと当日)
  • 薬剤師、看護師にも聞いてみる

4.受けられる医療支援を知りましょう

がんに向き合う時、受けられる医療支援を知って、ご自身にとって役立ちそうな支援法を選んでいきましょう。

  • 整備された病院(がん診療連携拠点病院)には、こころ、あるいはからだのいかなる苦痛をも緩和するための緩和医療チームがあります。治療中に大変な時期が続く場合、主治医、あるいは看護師にもそのサポートについて相談してみましょう。
  • がん相談支援センターは、がん診療連携拠点病院に配置され、がんに関わるどのようなことでも相談に乗ってくれ、治療をうけるための道しるべを一緒に考えてくれます。
  • セカンドオピニオンは、患者さんに与えられた権利として認知されるようになってきました。セカンドオピニオンについては主治医との信頼の上に成り立ちますので、その思いを率直に主治医に相談してみましょう。
  • 患者会は、同じがんにかかった者にしかわからない思いを理解されています。最近では乳がん、リンパ腫等、がん種毎の患者会も設立されてきていますので積極的に共感と情報収集源として活用しましょう。
  • 身内以外にキーパーソンを必要とする場合には、医療コーディネーター(日本医療コーディネーター協会)にエスコートしてもらうこともできます。
  • 医療費については、高額療養費制度を活用するようにし、各病院医事課で相談をしてみてください。
  • 在宅医療等は比較的早い時期からの検討が必要ですので、主治医や看護師にあらかじめ相談をしていくようにしましょう。